日本茶の魅力は、香り。そして、産地によって味が変わってきます。
煎茶のさわやかな香り、玉露の優雅な香気、ほうじ茶のほっとさせる炒った茶葉のにおい。
日本茶を飲むシーンやそのときの気分によって、楽しむことができます。
ここでは、お茶の種類ごとに味や香りなどの特徴をご説明いたします。
さわやかな香りに旨味と渋みのバランスがいい煎茶
茶葉を蒸して揉みながら乾燥させた緑茶。形が細く伸び、上等な煎茶ほど旨味やみる芽(やわらかい芽)の香りがあります。深蒸し煎茶の増加に伴い、浅蒸し煎茶ともいわれます。
渋みを抑えた濃厚な味が飲みやすく人気
煎茶と製法はほぼ同じですが、茶葉の蒸す時間が2~3倍長い、このため形は細かくなりますが、渋みが少なく味は濃くなり、水色も濃緑になります。製造量も年々増えています。
極上品として知られる玉露
煎茶と製法はほぼ同じですが、栽培方法が違います。新芽が伸び出した頃に、藁などで日光を遮って育てた煎茶です。上等なものほど煎茶に比べ旨味が多く、形や色ツヤも良い。玉露独特の香りも特徴です。
煎茶と製法は同じですが、お茶の品質を高めるために茶葉を摘み取る1週間程度前に藁などで日光が当たる量を調整し、製造した煎茶です。深蒸し製法で仕上げる場合もあります。
茶葉ごと飲むことができるヘルシーなお茶
玉露と同じように、日光を遮って栽培した茶葉を蒸して揉まずに乾燥させ、それを石臼で挽いて粉末状にしたお茶。茶道に用いられ、茶筅で点てて飲む。
茎の部分を集めたさわやかな香りがするお茶
煎茶を仕上げる工程で選別された茶葉の茎の部分。選別するお茶によって品質が変わりますが、玉露やかぶせ茶から選別された茎茶を特に「雁が音」ともいいます。
短時間で楽しめるお茶
煎茶を仕上げる工程で選別された茶葉の細かい部分。渋みが好まれ昔から多くのお寿司屋さんで使われるお茶。
煎茶を業務用のミルで微粉末加工したお茶。抹茶と同様に、お茶の成分を丸ごと摂取出来ます。急須を使わずに飲めるので、若い世代の方にも愛飲される方が増えています。
香ばしさとさっぱり味、スポーツ後にもおすすめ
煎茶や番茶、茎茶を強火で焙煎したこうばしい香りが特長のお茶。煎茶に比べカフェインが少ないのも特長。
日本茶の淹れ方は、急須に茶葉を入れお湯を注ぐだけではありません。
お茶の美味しい淹れ方で最も重要なことは、茶葉の量とお湯の温度、浸出時間です。
水道水は塩素さえ抜けば、美味しい日本茶を淹れることができます。
そのためには、お湯を沸かして沸騰し始めたら、やかんの蓋を少しずらし、沸騰状態を3~5分続けると塩素はほとんど抜けます。
お茶の味は、3つの成分から決まります。
緑茶に含まれる成分のカフェインとカテキンには、苦みと渋みがあります。この2つの成分は高温の湯で淹れると溶け出す性質があります。テアニンは、温度よりも浸出時間の長さに左右します。
うがいなどにお茶を使うことで風邪予防にも役立ちます。
この際にもカテキンを多く抽出するために熱いお湯で淹れると良いです。ちょっと淹れ方を工夫して、用途に応じて賢くお茶を楽しみましょう。
①急須に適量の茶葉を入れる
②一度沸騰させた湯を湯のみに入れ、湯冷ましをする
③茶葉の種類に合った湯の温度になってから、湯呑のお湯を急須にうつし蓋をして浸出時間だけ待つ
④浸出時間が経ったら、湯のみに均等に注ぎ切ります
お茶の最後の一滴には美味しさがつまっています。注ぎきることが美味しく味わうポイントです。
※二煎目も美味しく淹れるためにも、急須の中にお湯を残さずに湯呑に注ぎきりましょう。
急須の中にお湯が残っていると、渋みがでてきてしまいます。湯呑に注ぎきったあと、急須の蓋は開けておきましょう。
二煎目を召し上がる場合には、お湯の温度を下げる必要はありません。
また、熱湯を使っても構いません。お茶の葉っぱは引ききっているので、一煎目より熱めのお湯で20秒ほど経ってから湯呑に注ぎきります。
※全て1人分の目安です
煎茶
深蒸し煎茶
玉露
茎茶
粉茶
ほうじ茶
茶葉は繊細なため、直射日光・湿度・温度が高い場所が苦手です。
そして、一番大切なことは酸素に触れさせないように保管することが重要です。
日本茶の袋を開けた瞬間から酸化がはじまっています。
酸化がはじまると、ビタミンCを分解し、茶葉の色を赤くさせ、味、色が変化してしまいます。
お茶を保管する際のポイントをご説明します。
開封したら、袋から茶筒(密閉容器)に移すことをおすすめします。茶筒はしっかりと密閉でき、金属製の茶筒は紫外線や湿気を通さないため、保存に適しています。
茶筒がない場合は、酸素が入らないように閉じ、チャック付きの食品保存袋に入れて、冷暗所に保管いただくことをおすすめします。